省エネリノベーションで、家族が健康的に暮らせる住まいに
- お役立ちコラム
近年、高齢化社会の進展や地球温暖化への対応から、省エネ性能の高い住宅への需要が高まっています。
特に、高齢者や小さな子どもがいる家庭では、健康的な生活を送るために快適な室温を維持することが重要です。
こちらの記事では、省エネリノベーションとしてどういった改修ができるかを取り上げ、高齢者や小さな子どもが健康的に過ごせる住まいのリノベーションポイントをご紹介します。
目次
断熱性能の低い家がもたらす健康被害
断熱性能の低い家は、室内の温度差が大きくなりやすく、健康被害を引き起こすリスクが高くなります。
具体的には、以下の様な健康被害が考えられます。
1. ヒートショック
冬場に暖かい部屋から寒い部屋に移動した際に、血圧が急激に上下することで起こる疾患です。
脳梗塞や心筋梗塞などの原因となるだけでなく、転倒や溺れなどの二次被害も引き起こす可能性があります。
高齢者は特に注意が必要です。
2. 呼吸器疾患
結露によって発生するカビやダニは、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などの呼吸器疾患の原因となります。
特に乳幼児は抵抗力が弱いため、注意が必要です。
3. 冷え性
室温が低いと、体温が奪われやすくなり、冷え性になります。
冷え性は、頭痛や肩こり、下痢などの症状を引き起こし、生活の質を低下させます。
4. ストレス
室温が快適でない状態は、ストレスの原因となります。
ストレスが溜まると、免疫力が低下したり、睡眠障害になったりするなど、様々な健康被害につながります。
上記のような健康被害は、健康寿命の短縮につながることがわかっています。
研究によると、室温が1度下がると、健康寿命は11日短くなると言われています。
断熱性能の高い家は、これらの健康被害を防ぐ効果があります。
室内の温度差を小さく保つことで、ヒートショックや呼吸器疾患のリスクを減らし、快適な生活を送ることができます。
また、光熱費の節約にもつながるので、経済的なメリットもあります。
断熱性能の向上リノベーション
快適な室温を維持するためには、まず断熱性能を向上させることが重要です。
断熱性能が高い住宅は、冬の暖房や夏の冷房の効きが良くなり、光熱費を節約することができます。
具体的には、壁や天井、床に断熱材を施工したり、断熱性の高いものに交換したりするリノベーションが必要となります。
壁に断熱材を施工
壁に断熱施工する場合は、外壁の外張り断熱、内張り断熱といった工法があります。
外張り断熱
構造体から断熱材を離すため、結露が発生しにくく、断熱性能を持続しやすい特長があります。
気密性が高く、隙間風が入り込みにくくなります。
また、地震などの揺れに強く、建物の耐震性を向上させる効果もあります。
外壁の外観を変えることもできます。
デメリットとしては、内張り断熱に比べて費用が高くなる、工事期間が長くなるなどがあります。
内張り断熱
室内側から既存の内壁を撤去し、柱と柱の間に断熱材を充填していきます。
外張り断熱に比べて費用が安いく、工期も短くなりますが、外張り断熱よりも断熱性が低いデメリットがあります。
天井に断熱材を施工
屋根の断熱リノベーションには、主に以下の4つの工法があります。
屋根外張断熱工法
屋根外張断熱工法は、建物の外壁と屋根全体を覆うように断熱材を施工することで、住宅全体の断熱性能を向上させる工法です。
近年、高気密・高断熱住宅へのニーズが高まっていることから、注目を集めている断熱工法の一つです。
断熱性・気密性の向上だけでなく、外壁や屋根の耐久性も向上させることができます。
デザインの自由度が高いので、外壁や屋根リノベーションの1つとして予算をしっかりかけて行うのも良いでしょう。
2. 屋根遮熱工法(遮熱シート)
日射熱を反射して、屋根の表面温度を下げる工法です。
断熱材と組み合わせて施工することで、より高い断熱効果が期待できます。
比較的安価で施工しやすい特徴があります。
断熱性能は屋根外張断熱工法や小屋裏吹込断熱工法に比べて低く、屋根の形状によっては施工できない場合があるのが欠点です。
小屋裏吹込断熱工法
小屋裏吹込断熱工法は、天井裏の小屋裏空間(屋根と天井の間の空間)に断熱材を吹き込むことで、住宅全体の断熱性能を向上させる工法です。
断熱材の種類や厚さを自由に選択できるので、予算感や小屋裏の空間に合わせて施工ができます。
天井内張断熱工法
天井内張断熱工法は、天井裏に断熱材を貼り付けることで、住宅全体の断熱性能を向上させる工法です。
主に、新築住宅の建設時に施工されますが、既存住宅のリノベーションにも適用可能です。
断熱材を隙間なく施工できるため、高い断熱性・気密性能が期待できます。
断熱材はグラスウール、ロックウール、ポリスチレンボード、セルロースファイバーボードなどから選べます。
床に断熱材を施工
床下の断熱リノベーションには、主に以下の3つの工法があります。
床下充填断熱工法
床下充填断熱工法は、床下部分に断熱材を充填することで、住宅全体の断熱性能を向上させる工法です。
床下のゴミや土砂を取り除き、防湿シートを敷き、湿気の侵入を防ぎます。
その後断熱材を床下に充填します。
断熱材の種類や厚さによって、充填方法が異なります。
断熱材の種類によっては、シロアリなどの害虫被害を受けやすい場合があるので注意が必要です。
床下気流止め工法
床下気流止め工法は、床下と壁体内の空気が対流するのを防ぎ、熱損失を低減することで、住宅全体の断熱性能を向上させる工法です。
根太(床板を支える木材)と根太の間を気密テープなどで塞ぎ、床下全体の気密性を高めます。
施工には専門的な知識と技術が必要となるため、必ず専門業者に依頼する必要があります。
基礎外張断熱工法
基礎外張断熱工法は、建物の基礎部分に断熱材を貼り付けることで、高い断熱性能が期待できる工法です。
シロアリなどの害虫被害や、基礎コンクリートのひび割れを防ぐこともできます。
他の断熱工法に比べて費用が高くなる場合があり、基礎の形状や地盤の状態によっては、施工が難しい場合があります。
窓の断熱性能の向上
窓は住宅の熱損失の大きな原因の一つです。
断熱性の高い窓に交換することで、熱損失を大幅に減らすことができます。
具体的には、複層ガラスやLow-Eガラスなどの断熱性能の高い窓に交換することで、効果が期待できます。
複層ガラスとLow-Eガラスは、どちらも断熱性能や遮音性能が高い窓ガラスとして知られています。
複層ガラスに交換
2枚のガラス板を隙間を開けて空気層で隔て、一体化させたものです。
空気層が熱伝導を抑えるため、単板ガラスに比べて断熱性能が向上します。
また、空気層の温度変化が少なく、結露が発生しにくくなります。
空気層が音の振動を伝わりにくくするため、遮音性能も向上します。
ペアガラスよりも断熱性能や遮音性能がさらに高くなる、3枚のガラス板で構成されたトリプルガラスというものもあります。
Low-Eガラスに交換
Low-Eガラスはガラス表面に特殊な金属膜をコーティングしたガラスです。
金属膜が熱の放射を抑制するため、冬場の熱損失を抑え、夏の暑さを和らげることができます。
紫外線カット機能付きのLow-Eガラスもあります。
省エネ設備の導入
省エネ性能の高い設備を導入することで、光熱費を節約することができます。
具体的には、高効率なエアコンや給湯器、IHクッキングヒーターなどの導入が効果的です。
補助金を利用して省エネリノベーションを
2024年度も、住宅の省エネ性能向上を支援するために、経済産業省、国土交通省、環境省の3省連携で、「住宅省エネ2024キャンペーン」を実施しています。
このキャンペーンでは、以下の3つの事業を中心に、様々な補助金制度が設けられています。
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、2024年度より開始された、子育て世帯の住宅取得・リフォーム・リノベーションを支援する国の補助金制度です。
この制度は、省エネ性能の高い住宅の普及を促進することで、地球温暖化対策と子育て世帯の快適な住環境の実現を目指しています。
子育て世帯が居住する新築住宅、既存住宅のリフォームを対象として、最大60万円の補助金が支給されます。
子育てエコホーム支援事業の詳しい情報はこちら>>>
先進的窓リノベ2024事業
先進的窓リノベ2024事業は、既存住宅の窓を断熱性能の高い窓に改修することで、住宅の省エネ化を促進し、エネルギー消費量とCO2排出量を削減することを目的とした国の補助金制度です。
2023年度に続き、2024年度も実施されています。
先進的窓リノベ2024事業の詳しい情報はこちら>>>
給湯省エネ2024事業
給湯省エネ2024事業は、既存住宅の給湯器を省エネ性能の高い給湯器に交換することで、住宅の省エネ化を促進し、エネルギー消費量とCO2排出量を削減することを目的とした国の補助金制度です。
こちらも2023年度に続き、2024年度も実施されています。
給湯省エネ2024事業の詳しい情報はこちら>>>
住宅の省エネリノベーションについてご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
断熱性や気密性を向上し、夏も冬も快適に過ごせる家になることで、ご家族の健康を守ることにも繋がります。
内山ホームは、ご希望のリノベーション内容とご予算に合わせてご提案させていただきます。
ホームページには施工事例を多数掲載していますので、ぜひこちらもご覧ください。